名作中の名作。捨て曲なしのMONGOL800『MESSAGE』を聴こう

2019年5月26日

こんにちは。

今日は、音楽アルバムレビュー記事を挙げてみます。

実は、あるクライアントに向けて書いたテスト記事なんですが、提出後に音信不通になってしまって。

大好きなアルバムで、お蔵入りも悲しいので、ここで公開することにしました。

※クライアントにもその旨をお伝え済みです

名盤中の名盤。沖縄の至宝、MONGOL800

今回のディスクレビューはMONGOL800の『MESSAGE』。

今さら説明の必要もない名盤中の名盤ですね。『あなたに』や『小さな恋のうた』を知らないという人はほとんどいないのではないでしょうか。

でも、このアルバムにはそれ以外にも彼らの魅力が詰まった楽曲が盛りだくさん。

捨て曲なし、全編ハート震えっぱなしの歴史的名アルバムを、改めて紹介していきます。

インディーズ史上もっとも売れたアルバム

MONGOL800は1998年に沖縄県でデビューし、今年でちょうど20周年を迎えます。

人気のわりにメディア露出は少なく、ライブを中心にマイペースに活動を継続中。

そんな彼らのセカンドアルバム『MESSAGE』は、そのクオリティの高さから、あれよあれよと口コミ中心に広まり、売上枚数はなんと約280万枚。国内インディーズ史上に燦然と輝く快挙となっています。

まだSNSのfacebookもツイッターも、そしてスマホもない時代に、広告をほぼ打たずにここまでヒットするのは驚異的というほかありませんね。

改めて聴き直すと、本当に名曲ぞろい。シングルCD、なんて今はもう言わなくなったけど、どの曲をとってもシングルと思えるクオリティ、丁寧さ、そして熱量。

わかる人にはわかると思いますが、メンバー全員が総長レベルの腕っぷしを誇る「極悪蝶」並みです。あ、『特攻の拓』ですね。

国民的ソング目白押しの前半

一曲目、『あなたに』。ファンならイントロのハイハットの「シャンシャンシャンシャン♪」だけで、もう感極まって泣きそうになるでしょう。

瑞々しいリズム隊のグルーヴからなだれ込むAメロの歌詞は「人にやさしくされた時 自分の小ささを知りました」。

このリリックで思い浮かべる“優しい人”は、リスナーによって違うはず。親、夫婦、恋人、上司、同僚、すれ違いのひと、食堂のおばちゃん……

名曲には聴き手の思い出を鮮明に喚起させるチカラがあると思うけど、これほどのっけからイメージ喚起させてくれる曲もなかなかない。まさに名曲中の名曲です。

二曲目は『Song for you』。アップテンポで軽快なナンバー。裏打ちのドラムと流れるようなベースラインが心地いい。

『あなたに』で一気にセンチメンタルになった気分に、爽快なスピード感を足してくれます。ここまで聴いたら、もうモンパチのサマードライブからは抜けられない。最後まで、風を感じて走り抜けるのみです。

アルバムはそのまま『小さな恋のうた』へ。無音からのキヨサクの歌い出し、このわずか1秒で聴く人みんなのハートが高揚する。

ザクザク刻むギターのバッキングに乗せて、小さな恋の思いは届く、小さな島のあなたのもとへ……キヨサクの歌詞があなたの耳に届く。
このイントロで、ぼくは必ず目頭が熱くなる。必ず。こんな楽曲があるでしょうか。

あたたかくて、それでいてちょっと甘酸っぱい青春の幸福感に包まれている頭に、野太く、メロディアスなベースソロがスッと入ってくる。『Melody』。

リスナーの期待を盛り上げるタメの大きなイントロ、歌詞は全編英語。

英語はわからない?大丈夫、そんなの関係ない。タイトルのメロディがまさに象徴しているように、このナンバーで彼らが届けたいのは、快活で前のめりな“旋律”(メロディ)に違いない。

スローナンバーでひと休み、の中盤戦

アップテンポな前半4曲のあとは、リスナーの気分を完璧に読みとったような『月灯りの下で』。

さぁここでちょっと休憩。同じくベースソロから始まる曲だけど、ゆったりと落ちついて、甘くて、そしてモンパチだからやっぱりどこか切ない珠玉のスローナンバーです。

と思っていたら、曲は後半がらりと雰囲気が変わる。

アップビートで、がむしゃらに一生懸命で、大切なひとにぎゅっと抱きしめられてるみたいな熱っぽさ。

余談もいいところだけど、ぼくはこの曲を妻との結婚式の馴れ初めVTRで使わせてもらいました。その妻とは喧嘩もするけど今も仲良しで、この曲は3歳と0歳になる2人の息子たちが、おもちゃだらけの居間で聴いています。

ここから中盤は爽快なナンバーのオンパレード。『For Life』『親知らず〜Summer Again〜』『HEY Mommy』といずれも夏の沖縄を彷彿とさせる明るく快活な曲。

でもそのまま一直線に走り切ろうとしないのがモンパチなんですね。人生はそんなに平坦で単純じゃないことをぼくらに伝えようとしてくれているよう。

続く『Marriage Blue』は冒頭からしんみりと優しい雰囲気で始まる。艶のあるベース、抑制を効かせながら激しさを内包したギター、黙々と刻むドラム、そして穏やかさと情熱と愛がにじみ出るキヨサクのボーカル。

哀愁を隠さない曲を通じて、リスナーは夢のようなアルバムにもそろそろ終わりが来ることを予感します。

モンパチらしからぬハードナンバー?『矛盾の上に咲く花』

10曲目『矛盾の上に咲く花』モンパチには珍しいマイナー調のハードナンバー。イントロからのアグレッシヴで突き刺すようなグルーヴに一瞬「違うバンド?」と思ってしまう。

けれど歌が始まると、浮かんでくるイメージはやっぱりモンパチの世界観が広がってきます。
ひとの世の偽善と矛盾を嘆きながら、痛烈な批判ではなく、大きく純粋な愛ですべてを包もうとする包容感は圧巻。

世界中の、争い合う人びとに、この歌を聴かせたくなるのはぼくだけじゃないでしょう。

後半もダレ要素ゼロ。モンパチに死角なし

ここからは後半戦。

11曲目『琉球愛歌』琴線に触れるメロディアスなベースライン、思わずリズムをとりたくなるイントロ、これだけで名曲だと確信できる。

もう15年も前、大学生の頃に仲間とカラオケに行くと必ず終盤でこの曲を合唱したなぁ。「すべての国よ、うわべだけの付き合いやめて」前曲とともに、世界中の人たちに届けたい1曲です。

アルバムはそのまま、哀切感たっぷりの12曲目『Dear My Lovers』から、底抜けに明るくてハジけるナンバー『夢叶う』へ。

夢叶う、はノリも歌詞も世界観も最高!こんなにポップな曲でも、ただ元気なだけにならないのがモンパチの奥深さ。

無邪気でハツラツとしたAメロから、Bメロでは短調に転じて「お国のために命捨てる そんな常識従うな 自分を信じて」とハッとさせられるメッセージ。

世界の平和とみんなの笑顔を願う彼らは、そのために、辛辣で耳の痛い言葉も投げかけなければいけないことを知っているんだ。モンパチは深くて、それにとびきり、温かい。

そして最後の曲『Dandelion』。壮大さ、遠大さを感じさせるベースのアルペジオで始まり、心地よく、最高にクールなギターリフとドラムのリズムが合流します。

豪快で華麗な滝へ注ぎ込むように、一気にスピードをともなってスタートするイントロは鳥肌もの。歌詞は全編が英語。だけどどういうわけか、キヨサクたちの歌と思いが自然とハートに染み入ってくるんですね。

できる限りシンプルな単語をチョイスしてくれている?それもある。歌詞カードを読んでる?もちろんです(笑)けどそれだけじゃない。

「この曲は、全世界のともだち皆に届けたい」

彼らのそんな願いと愛が込められているからに違いない。ぼくはそう信じる。そう信じざるを得ないパワーが、アルバムのラストを飾るこの曲にみなぎっているんです。

ここで終わりじゃない。シークレットナンバー『MESSAGE』をお忘れなく

実は『MESSAGE』には収録曲がもう1曲。『Dandelion』をそのまま聴き流していると始まるのが、シークレットトラックの『MESSAGE』。

アルバムと同じタイトルで、モンパチが本当に伝えたい最後のメッセージが込められています。この曲に関してはここでは触れません。ぜひ、実際にあなたの耳で、ハートで、聴いてみてください。

沖縄からモンパチが贈る珠玉の“メッセージ”

今回ご紹介した、モンパチの『Message』。

本当は冷静に、淡々と紹介したかった。でもできませんでした。だってこのアルバムには、「淡々」とか「クール」なんて態度はまったく似合わないから。

モンパチの3人は、音楽でぼくらのハートを開きに来る。無理やりこじ開けるんじゃなく、開けてくれと拝み倒すでもなく、極めてナチュラルに、ぼくらの心が自分からドアを解き放つのを誘う。

その開いたドアから、まっすぐな情熱と思慮深い想い、そして底のない愛情に包まれたメロディが流れ込んできます。

彼らが沖縄の地から放つ極上のメッセージは、こちらがいつどこにいても、ぼくらの心をひとつにしてくれるでしょう。

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音楽

Posted by 神谷ボコ